2019年10月25日金曜日

現人神とは何か?天皇は現人神である理由


天皇は現人神(あらひとがみ)である!などと言うと、「右翼だ」、「国粋主義者」、「戦前の軍国主義者と一緒だ」と言われそうですね

しかし、天皇とは事実、現人神なのです

それはどういう事なのかを、すこし説明してみたいと思います

まず初めに、現人神という言葉の起源を辿っていくと、それはとても古くて、日本書紀に日本武尊の言葉として出てきます

蝦夷を征伐するために陸奥国に入った日本武尊は、船に大きな鏡を掲げていたそうです

おそらく蝦夷の人々は鏡をはじめて見たのでしょう、彼らは恐れて頭を下げて拝んだと言います

すると日本武尊が彼らに「吾は是、現人神の子なり」と告げると、蝦夷らはおそれて、自ら降伏して従ったと言います

この時にすでに現人神という言葉は出てきて、天皇陛下の事を示す言葉として使われています

日本武尊は景行天皇の息子ですので、父親の景行天皇を現人神と述べています

それ以来、日本では古くから天皇陛下のことを現人神と表現したりするようになります

現人神という言葉は戦前に天皇を神格化させるために作られた言葉ではなく、古来から天皇を示す言葉として使われてきたものです

もちろん昨日も述べましたように、現人神という言葉の神という語が示す意味は、西洋的なGod=絶対神などではなく、人々が畏敬をもって崇める存在のことを示します

日本では古来から、山や川や木や動物までも神として崇める風習がありました

いまでも神社などではご神木といって、木や森をご神体として崇めたりします

日本人は古来から尋常ではないものや、優れた徳を持った存在を神とし称えてきたわけです

そして記紀の昔から、日本の人々は、天皇を現人神として崇めてきたのです

しかしシナ事変があって大戦の頃になると、天皇陛下の神格化を推し進めようとする者もいて、まるで西洋の絶対神のように歪曲する者たちが出てきます

これは苦しい時には必死に神にすがって頼もうとするのと同じで、何としても戦に勝たねばという思いが、天皇の西洋的神格化が進められてきたのです

そのため、「天皇を神として信じ込んだことで、日本は無謀な戦争に突入したのだ」という誤った考えが広がることとなりました

ですが先ほども述べましたように、古来から日本では天皇陛下を現人神として敬いながら、世界でもまれに見る平和な国を作ってきた歴史があります

ですので、天皇陛下を現人神としたことが、戦争につながったという考えは間違いなのです

天皇陛下が現人神とされる理由としては、天照大神なども神様の子孫だという考えが一つあります

つまり皇室は元をたどれば天照大神が皇祖としておられ、その子孫ということです

いわゆる「人間宣言」をされたという事は、直接神様の子孫であることを否定したわけではないとされるも、現人神を否定されたという事は、神裔と言いますけど、皇祖が神様であることを否定した事にもつながると解釈されてしまいます

そのような問題が含まれているわけです

さらに天皇陛下が現人神とされる理由のもう一点を考えてみますと、神道の考え方では天皇は皇祖神であられる天照大神と一体化した存在であるとする考えがあります

たんにその子孫というだけではなく、天照大神と一体であるがゆえに天皇陛下は現人神と言われるゆえんだという考えがあるでしょう

先日は即位礼正殿の儀が行われましたが、来月の十一月十四日と十五日には大切な祭りである大嘗祭が行われます

この大嘗祭というのは、天皇が皇位継承に際して行う宮中祭祀であり、継承の時に一代で一度きり行われるとても大切な祭りです

大嘗祭では新天皇はお一人で、悠紀殿と主基殿という建物に籠もられます

そして「同床共殿」と言いますけど、この時、皇祖神であられる天照大神と食事と寝床を共にされるのです

新天皇は自ら天照大神と自身のための御膳を作られて、天照大神と共に食事をされます

そして夜は天照大神と共にお休みになるのです

この大嘗祭を通して、新天皇は天照大神と一体となり「現人神」となられるのです

大嘗祭を行う事によって、天皇陛下は真の天皇となり、現人神となられるのです

ですので天皇陛下が現人神であるのを否定する事は間違っていると言えます

天皇が現人神であることを否定するとは、これまでの皇室の伝統を否定することでもあり、文化と伝統を否定することに繋がります

GHQによって人間宣言させられたのはしかたないとして、占領が終わった後には、先の詔書は無効であると宣言なさるべきだったと思われます

作家の三島由紀夫はその作品の『英霊の聲』にて、二・二六事件で処刑された旧陸軍の青年将校たちや、神風特別攻撃隊で戦死した兵士たちの霊の言葉として、「人間宣言」への無念さを書き残しています

「わが祖国は敗れたれば

敗れたる負い目をことごとく肩に担うはよし

(中略)

されど、ただ一つ、ただ一つ、

いかなる強制、いかなる弾圧、

いかなる死の脅迫ありとても、

陛下は人間なりと仰せらるべからざりし。

(中略)

などてすめろぎは人間(ひと)となりたまいし。」

「などてすめろぎは人間(ひと)となりたまいし」というのは「どうして天皇は人間となられたのですか」という意味です

天皇陛下を現人神として崇め、特攻で亡くなられた英霊たちには、敗戦するとすぐに「人間宣言」をなされたのは、裏切りではないかという気持ちを三島が代弁して書いたものでしょう

天皇が「人間宣言」をされては、亡くなった英霊たちが浮かばれないと三島は考えました

日本の伝統からいって、天皇が現人神とされるのはもっともであり、人々の間に西洋的なゴッドの意味で理解しているなら、その誤解を解くようにつたえればよいでしょう

ちなみに実は現人神とされるのは天皇陛下だけではありません

島根県にある大国主大神を祀る出雲大社の宮司も、明治頃までは現人神として崇拝する風習があったそうです

その他にも、諏訪大社の神職も、諏訪明神の子孫であるとされ、現人神として神聖視されたという歴史があったそうです

英霊たちのためにも、日本をふたたび取り戻すためにも、天皇は現人神であるという事を復権すべきではないでしょうか

もちろん戦中の誤った神格化では無く、日本の伝統に基づいた正しい理解としての現人神を受け入れるという事です

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1 件のコメント:

  1. 大本教、出口おにざぶろう氏は、スサノオ様の四魂のうちの一つの現人神として生まれて来られた方であったそうです

    神道の神々と懇意にされておられる霊能師さんより御聞きしました

    神とされる存在が、正しく地上にて救援摂理を手掛ける為に来臨されている事を物語るものですね

    スサノオ様は、地上で肉体を持って生きた国津神になられます





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