「フィンセン文書(the FinCEN Files)」によって世界で衝撃が起こり、金融機関の株価下落などが起こっています
「フィンセン文書」というのは金融機関がマネーロンダリングに関与した疑いがあることを示す文章です
フィンセン文書の「FinCEN」というのは、アメリカ財務省の金融犯罪取締ネットワーク(Financial Crimes Enforcement Network)の略称です
この「FinCEN」というアメリカの組織は、世界中でドルで取引される不審な動きを調査しています
おもにテロ組織に資金が流れていないかや、犯罪組織がマネーロンダリング(資金洗浄)を行っていないかを調べているわけです
この金融機関が行った不審なお金の流れについての調査報告書が外部に流れ、それが「フィンセン文書」と呼ばれています
今回の出来事で何が問題となっているかというと世界の大手金融機関が、マネーロンダリングなどの不正が疑われるような取引を、野放しにしていたことが分かってしまったという事です
このため金融機関への信用が落ちることとなり、株価の下落も起こっています
世界的な大手金融機関では香港上海銀行(HSBC)、米JPモルガン、英バークレイズ銀行、ドイツ銀行、バンク・オブ・アメリカ、シティバンク、英スタンダード・チャータード銀行などの名前が挙がっています
たとえばHSBCは投資詐欺絡みの資金と知りながら8,000万ドルの国際送金を受けていたことが分かっています
米国の投資詐欺集団がHSBCを通じて香港の口座に送金するのを黙認していたと言われます
HSBCについては以前に香港自治法関連で取り上げたことがあります
親中寄りの姿勢を取り、香港民主派の資金は止めながら、詐欺集団には応じていたようです
海外の問題だけでなく、日本の金融機関の名前もあります
みずほ銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行 、三井住友銀行、横浜信用金庫、北海道銀行などの名前があがっています
詳しくはICIJ=国際調査報道ジャーナリズム連合が資料を公開しています
もちろん、すべてが不正なものではなく、疑わしい取引とのことですが、これらの金融機関も厳しい目が向けられるかもしれません
また今回のフィンセン文章によって、オリンピックの誘致に関する不正な疑いのある送金も発覚しています
東京五輪の招致委員会がコンサルタント業務を委託したシンガポールの会社から、国際オリンピック委員会(IOC)の有力委員の息子とその会社に計約37万ドル(約3700万円)が送金されていたことがわかったと朝日新聞が伝えています
日本ではそれほど大きく扱われていませんが、今後、重大な問題となってくる可能性があります
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