これを誤解して、「天皇制」によって差別が生まれたのだという間違った考えをする人もいます
天皇がいることで階級社会が生まれ、差別意識が出来たのだという考えです
そして戦後になってようやく日本はアメリカに敗れ、民主主義がもたらされたのだと考える人もいます
しかし民主主義の考えには、独裁者が一方的に決めるのではなく、みんなが集まって議論して進めるべきだというものがあります
今の議会制民主主義はそうした考えをシステム化したものでしょう
こうした考えそのものは、日本では古来からあったものです
古くは聖徳太子の時代から、民主主義的な発想はありました
皇子である聖徳太子は有名な十七条憲法をつくります
そのなかの十七条は書き下すと以下のような文となります
十七に曰く、夫れ事独り断むべからず。必ず衆(もろもろ)とともに宜しく論(あげつら)ふべし。
独断して決めるのではなく、皆で議論して決めていきなさいというものです
これは民主主義そのものでしょう
古代から日本では民主主義的な考えがあったのです
では、その元には何があったでしょうか?
それは天皇陛下を頂点として、万民が平等で、国民みんなが『 大御宝(おおみたから)』だという考えがあったからです
大御宝というのは、天皇が治めるこの日本に住む国民はみんな、大切な宝物のような存在だということです
大御宝という言葉はすでに古事記に登場しますが、この言葉の概念こそ、万民の平等と、ひとりひとりの考えを尊重し、個性や人権を大切にするという民主主義的な価値観に通じるものです
明治期には一君万民論という考えが広まります
一君万民論というのは、天皇陛下の元、国民はすべて平等であり、差別や身分差を認めないという考えです
それは元々の、天皇の治められる日本の国民はみな大御宝であるという考えから必然的に出てくるものでありました
こうした一君万民論の考えがあって、明治維新では容易に西洋の民主主義・デモクラシー思想が日本に導入できたのです
日本以外の有色人種の国では、なかなかデモクラシー思想が浸透して成熟せず、いろんな軋轢を生んでいますが、日本にはもともとそれを受け入れる思想的バックボーンがあったため、明治期に容易に導入できたのです
そのため日本は明治維新を成功させて、有色人種で初の列強に並ぶほどの近代化に成功したのです
このように日本が万民平等思想を持って国民を大切にし、民主主義国家となって成功できたのも、日本に天皇という存在がいたからです
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