2019年12月23日月曜日

中国の野望!デジタル人民元はどうなるか


中国はデジタル人民元の開発を急ぎ、主要国では初となるデジタル通貨の発行を進めようとしています



中国の中央銀行である中国人民銀行が開発を進めており、深セン・蘇州での試験運用が近く始まると言われています

当面は中国の国内での利用のみを想定していて、国際送金には使わないとしています

そしてデジタル人民元の取得や使用には、実名を使うと言われています

このデジタル人民元については、おもに二つの脅威がささやかれています

ひとつは実名制を導入することで、人民のお金の流れをすべて中国政府が握るということです

これによって国民への監視が高まり、政府に批判的な人物や、不穏と思える人物の金の流れを抑え、脅迫に使ったり、使用を止める事で、物の売り買いが出来なくされます

以前に中国の監視社会の進み具合を、小説『1984年』を例にあげて書いたことがあります


新約聖書の最後にはヨハネの黙示録という終末を予言した書があり、そこには反キリストの獣が登場し、その獣の刻印の無い者には、物を売ることも買う事も出来ないようになるという記述があります

まさにそうした終末の世界をあらわすような中国の未来像が浮かびます

デジタル人民元の出現は、恐ろしい監視社会の登場を、さらに後押しするものとなるでしょう

もうひとつ指摘される問題としては、デジタル人民元の国際化を進めて、米ドル覇権に対抗するのではないかというものです

いま世界ではアメリカのドルが流通していて、ドルが基軸通貨となっていますが、それに風穴を開ける狙いがあるのではないかというものです

ドルが国際的な決済通貨として利用されているため、お金の流れをアメリカに知られるという理由があります

例えば中国の通信機器大手のファーウェイの孟晩舟副会長がカナダで逮捕されましたが、これもファーウェイの関係会社とイランとが違法な取引をして、それにアメリカの金融機関が使われていたため発覚しています

アメリカのドルが国際決済で使われているため、不正な資金の流れも知られてしまうわけです

そうしたリスク?を避けようとする思惑もあると考えられています

またアメリカは経済制裁として、対立する国や組織の銀行口座を凍結し、米ドルを使わせないようにして締め上げを行っています

これもアメリカのドルが基軸通貨であり、多くの国が国際決済にドルを利用しているから可能な事です

ドルに代わってデジタル人民元が国際的に使用されるようになれば、そうしたアメリカの制裁も怖くなくなるという思惑もあるのではないかということですね

そう言われると中国の恐ろしい戦略のように思えますが、こちらは果たして可能か疑問です

なぜなら中国当局は資本の国外への流出を恐れており、逃げないように規制しているのが現状です

もしもデジタル人民元が国際決済にも使われ、自由に資本が行き来できるようになれば、中国内で人民元を抱える富豪や共産党幹部などは、お金を海外に流してしまうでしょう

人民元は中国当局にとっては残念ながら、自国民から信用されていない通貨と言えます

中国のお金持ちは海外に資金を流そうとあくせくしており、当局は何とか逃がさないように規制しているのが現状です

海外から中国に進出した企業でも、当局からの締め付けがあって逃げられないようになっていますが、デジタル人民元で国際決済出来るようになれば、資金をすぐに自国に戻そうとするでしょう

そうさせないように中国当局が締め付けを強めれば、結果的に国際決済は制限されることとなり、ドルに代わる通貨とはなりえないことになります

ですので、ドル覇権に挑むためのデジタル人民元というのは、私としては疑問に思います

現状としては、デジタル人民元は中国国内での利用が中心となり、人民の監視に使われるというのが今のところの在り方ではないかと思います


4 件のコメント:

  1. 日本こそ裏付けのあるデジタル通貨(というのかな?)向いていると思います。ど素人目線で笑
    まず円はドルやユーロに並んで信用のある通貨なので、国際的な取引に向いているということ。
    また日本の中小企業はまだまだ素晴らしい技術を持っていますし、伝統工芸品も他にない固有のものがたくさんあります。そのようなものを小規模からでも海外から買ってもらうとなると、デジタル通貨ならば決済が容易だと考えます。
    ただし今日のお話のデジタル人民元のように実名やマイナンバーで紐付けされ政府に管理されること、それとサイバー攻撃にあってお金や情報が流出することが心配なので現時点で日本政府主導のデジタル通貨はダメかな…と思いますが。

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  2. 政府が借りたお金を政治家が横領、海外送金する。しかし帳簿にはそのお金が残っているので、同じお金を企業が補助金で得る。その金を企業の幹部が着服するが、しかし、帳簿には残っているので、その金で資材を購入する。ところが、購入で払ったはずのお金が帳簿には残っており、資材担当と取引先のマネージャーで山分けする。こういう風に同じお金を何度でも使えるように会計原則を変えると、便利だが、ベネズエラでは、超インフレ(何万パーセント)になって、経済が崩壊した。そこでデジタル通貨なるものを発案したが、何の役にも立たなかった。

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  3.  「宇宙の兄弟たちへ」は芸能人や有名人たちの前生がどうだとかこうだとか、バカバカしい話が頻繁に述べられるので、「前生などどうでも良いではないか」と殆ど読まなくなった。一方、「太陽の国」は読むたびに引き付けられ勉強になる。まさしく、日本国を中、韓、北朝鮮等からどう守り、アメリカに依存しない自立した国にしていくためにはどうすべきかの示唆を得られて感謝している。

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  4. 匿名さま
    有名人の過去世を知ることで、人の生き方と課題やカルマをケーススタディとして教えてもらえるのは、日々生活をしていくなかで非常に参考になっています。
    それに洪氏は、そのように過去世記事を書く理由を何度か述べていらっしゃいますがそれをお読みになりましたか?
    あなたにはバカバカしいかもしれませんが、ありがたく学ばせていただいている読者も多いことを知っていただきたい。

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