ベラルーシではいま、大規模デモが発生し、革命が起きそうな雰囲気が出てきています
ベラルーシで8月9日に大統領選挙があったのですが、それが不正だったとして多くの国民が参加するデモが発生しています
この国はヨーロッパ最後の独裁国家とも呼ばれる国であり、長年ルカシェンコ大統領が独裁者として君臨している国として悪名高いところでもあります
ルカシェンコ大統領といえば、最近日本のテレビでも取り上げられていましたね
コロナが流行しているのに好きなアイスホッケーに興じて、「ここにはウイルスなど一切いない。アイスホッケーこそ最良のウイルス薬だ」と言い放って話題となった人物です
ちなみに大統領がコロナ対策として推奨したものには他に、「ウオツカを飲む」「サウナに行く」「トラクターに乗る」などがあります
この独裁国家でいま革命が起ころうとしているのです
まず多くの日本人にとってベラルーシという国について認識は少ないと思いますので、はじめに紹介したいと思います
ベラルーシは、ロシアの西端にあり、東ヨーロッパに位置する共和制国家です
東にロシア、南にウクライナ、西にポーランド、北西にリトアニア、ラトビアと国境を接しています
首都はミンスクで、旧ソビエト連邦から独立した国家の一つになります
現在は住民の約8割がベラルーシ人で占められておりますが、かつてはユダヤ人やポーランド人がたくさん住んでいたこともあって、多民族国家としての性質もあるようです
ベラルーシでは民族主義的な意識が少なく、内戦などは起こっていません
かつてのソ連時代を肯定的に考える国民も多くいて、いまだに旧ソ連のリーダーであったレーニン像が都市に残されているといいます
ですのでベラルーシは旧ソ連の体制をそのまま維持したような国と言われます
旧ソ連がどんな国だったか知りたければベラルーシを見ればわかると言われます
このベラルーシにルカシェンコ大統領が当選したのは、1994年になります
今から26年も前になりますね
この間ずっとルカシェンコが大統領の地位についていたわけです
1994年に実施された大統領選挙でルカシェンコ大統領が当選したわけですが、その時の選挙公約では、ロシア連邦との統合を目指していました
ですが、ロシアのプーチン大統領が就任してベラルーシをロシアへ吸収合併を示唆するような発言を繰り返すようになると、ルカシェンコ大統領は次第にロシアに反発するようになります
その後もロシアとベラルーシの関係悪化していきます
2010年の大統領選挙で、ルカシェンコ大統領が4選を果たしたものの、選挙後に野党の候補者が拘束されるなど、人権弾圧が続いたため、アメリカやEUなどから圧力を受け、国際的に孤立していきます
そして財政問題や経済不況が続いていき、政権に抗議する市民たちが無言で拍手をしながら街を練り歩き抗議の意思を示しました
しかし、こうした運動は厳しく取り締まられ、警官隊が催涙弾などで鎮圧にあたり、多数の参加者が身柄を拘束されました
経済は不況ながらも、中国やイラン、中南米にある反米諸国から経済援助を受けて、いまもって独裁体制を維持しています
ベラルーシでは働ける身体なのに職に就かず、半年以上たつ未納税者には、平均月収ほどの罰金が科されるそうです
日本のようにニートなどが問題となる事はなさそうです
その他、デモや集会も厳しく規制されており、政権や大統領への批判を口にすれば逮捕されることとなります
こうしたベラルーシで、大統領選挙の後で大規模なデモが起こっているのです
参加者は逮捕を覚悟しないといけません
どうしてこのようなデモが発生したかというと、選挙の前から不正は行われていました
ルカシェンコ大統領は、ライバルとなる候補者を次々と逮捕していったのです
自分の地位が脅かされそうな人物については、逮捕して立候補させないようにしたわけです
他にも立候補を認めないなどの手段にも出ています
立候補できなければ、誰も当選は出来ませんね
そのようなわけで選挙前から卑怯なやり口をしていました
ですが、逮捕されたセルゲイ・チハノフスキーさんという方の奥さんが立候補します
ルカシェンコ大統領は「たかが主婦だ」と思ったのか、立候補を認めました
そして大統領選挙が行われたのですが、結果は現職のルカシェンコが8割も得票して大勝しました
国民の支持は低いはずなのにこんなに票を取るなんて不正は明らかだと国民は憤ります
その結果に多くの国民が反発して、今回の大規模デモへと発展していきました
背景にはコロナ禍もあって経済危機が深刻化してきているものあるでしょう
すでに選挙後の3日間で約6000人が拘束されたといわれます
今後ベラルーシがどうなっていくのか注目です
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