最近のアメリカの動きは、中国に対する原油輸入を断とうとする動だと捉える方もいます
イスラエルとUAEの歴史的和解の意味とイラン制裁復活は、中国に対する原油制限するものでもあるという考えです
かつて第二次世界大戦の時には、アメリカは日本に送られる原油を断つために、ABCD包囲網を作って経済制裁を行いました
ABCDとは、アメリカ合衆国(America)、イギリス(Britain)、中華民国(China)、オランダ(Dutch)のそれぞれの頭文字を取ったものです
これらの国が協力して日本に貿易制裁を行ったため、日本に入ってくる原油が絶たれ、焦った日本側は開戦に踏み切ったという歴史があります
これと同じような事をアメリカは中国に対して行おうとしているのではないかという視点もあります
中東の手綱を絞りつつ、南シナ海を海上封鎖して中国に原油が入らないようにするというものです
ここで中国の石油事情を見てみます
原油価格の下落を受けて、中国は備蓄量を増やしていると言われ、国家備蓄で90日分、民間も合わせると最大180日分の備蓄量に膨らませているのではないかと言われます
通常で半年分ほどの原油備蓄量となります
中国では国内でも油が取れていて、2018年で日量378万バレルの原油生産量があります
2018年時点の石油需要は1,303万バレルとされています
ですので、約3割は自国内でまかなっていることになります
残りの原油の輸入先としてはロシアが15%、サウジアラビア12%、アンゴラ10%、イラク10%、オマーン7%、ブラジル7%、イラン6%、クウェート5%、ベネズエラ4%、コンゴ共和国3%、米国3%、UAE3%、その他15%となっています(2018年調べ)
これをみると輸入先はロシアが最大であり、ロシアからは南シナ海を通りませんので、海上封鎖も出来ません
そうすると、中国への石油を断つには、ロシアとも協力しないと有効にならないでしょう
どのような動きとなっていくのか要注意ですね
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